Sustainability
サステナビリティは、私たちにとって新しい理念ではない。むしろ、というかそもそも、そうでなければ続かない仕事である。とは言え、ここ数年、私たちも意識的に取り組んできたことでもある。なぜなら、人の手と、技術と、経験の継承がなければ、品質は保てない。表面的に素材だけを語っても足りない理由がそこにある。持続可能とは、ものづくりの現場が今日も明日も稼働し、次の世代へ技術が渡ること。そのための環境と、仕組みと、空気を整えることだ。
例えば、糸の管理。以前は在庫が把握しきれず、同じ糸をまた発注してしまうこともあった。いまは保管とデータ化を整え、必要な分を必要なだけ使えるようにした。ニットの試作は、糸を1kg単位で買わなければならないことも多い。けれど、500gで十分な場合もある。見える化は、無駄を削るためではなく、創造の余白を守るためにある。時には5kg、10kgと余ってしまう糸もある。それを眠らせず、別のラインナップへ変換し、手に取りやすい形で届けていくつもりだ。残りものを言い訳にしない。素材にもう一度、役割を与える。
そして、働く環境もまたサステナビリティの一部だ。笑われるかもしれないけれど、Wi-Fiを整えることだってその一つ。雪かきの負担を減らす設備を導入することだってそうだ。作り手が良い気持ちで働けなければ、着る人の幸せを語る資格はないから。世の中の“エコ”がときに売り文句へ傾くことにも、私たちは慎重でありたい。行き過ぎは、別の歪みを生む。流行ではなく、継続の感覚で。静かに、長く、続けるために。